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潜水艦モーグル号 様
物差しが違うというか、動物を飼うときの考え方が違います。
『環境エンリッチメント』という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。一般に広く知られるようになったのは北海道の旭山動物園の元園長で動物学者の小菅さんの実践による成功ですが、要約すると、『動物を飼う場合は、その動物が自然環境で生活している生き方に似た生き方ができる環境で飼うのが良い』というものです。
『地下型の巣箱』方式は『環境エンリッチメントの考え方』そのものです。
ハムスターは実験動物としてが日本に入ってきました。その姿が可愛いのでペットとして飼われるようになりましたが、その飼い方は、実験動物としての飼い方の延長であって、ハムスターの生態に着目したものではありませんでした。
一定量を決まった時間に与えるという餌の与え方です。実験動物ですから、大きさも揃える必要があります。勝手に食べて体重がバラバラでは困ります。
『環境エンリッチメント』では、欲しがるだけ与えます(正しくは置いておきます)。ただしハムスターはそれを全部食べるのでなく自分の家に持ち帰って貯蔵して少しずつ食べます。
【ハムスターの食べ方】
ハムスターは食いだめができません。胃がとても小さくしかも消化時間がおよそ1時間と早いために、ネズミ族特有で胃がすぐに空っぽになってしまいます。常に少量を食べ続けなければならないのです。大きく勘違いしているのは餌の与え方を犬の例に倣ってしまうことです。犬は一度にたくさん食べてしばらくは食べなくてよいので次のご飯の時間まで待つことができます。食いだめができる大きな胃を持った犬の感覚、あるいは3度に分けて食べればよい人の感覚で餌を与えれば、ハムスターは健康に成長することができません。体重を均一にする必要がある実験動物のためには必要な給餌方法ですが、空腹によるストレスは健康への影響が大です。
人だっておなかがすくと機嫌が悪くなります。仲良くなりたいペット=ハムスターへの食べ物の与え方としては不適合です。
ただし、以上の考え方の『地下型の巣箱』方式の飼い方を発信しているのはこのホームページだけです。最近は少しずつ理解が広まってきていますが、まだ圧倒的に旧来の飼い方と餌の与え方が主流です。潜水艦モーグル号さんが戸惑ってしまうのは十分に理解できます。
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